「狛犬なんて、どれも同じじゃないの?」

なんて考えてる方、ちょっとお待ちください! 私たちの身近な神社に鎮座している参道狛犬たちは、驚くほど個性的な造形で、私たちの参拝を見守ってくれているのです。
こちらのコーナーでは、私が狛犬散策をする時に、狛犬を楽しむポイントを簡単にご紹介してみます。ここだけ押さえておけば、あなたも間違いなく狛犬の魅力に夢中になることでしょう?


狛犬の魅力を引き出すチェックポイント
ここでは、参拝者を静かに迎えてくれる物言わぬ狛犬たちの観察ポイントをご紹介します。
最初はどの狛犬も同じに見えるかも知れませんが、いろいろな狛犬を見続ければ、目が肥えてきて、狛犬の個性、違いがよりはっきりと分かるようになってきます。
まずは、チェックポイント①~⑤の順番で狛犬を観察して、狛犬たちの魅力を確認してください。
チェックポイント①左右の違い
 左側は「口を閉じた吽」「頭に角」
 右側は「口を開いた阿」「頭に宝珠」
 実は、狛犬と呼ばれている対の像は、
 左側が「狛犬」右側が「獅子」という
 別の霊獣となります。
 髭の形を変えるなと、獅子狛犬の違い
 を出そうとしている狛犬もいますので
 正面からお顔を観察してみて下さい。
左側が吽の場合が多い
こちらが「狛犬」
右側が阿の場合が多い
こちらが「獅子」
チェックポイント②
彫りあげた石工の技術の違いがはっきり出てくるのが毛並み。巻き毛の細かさ、流れるような毛並みに大きな差が出ます。
チェックポイント④
360度ぐるっと観察して、狛犬が最もカッコよく見える角度を探してみて下さい。優れた石工の作品ほどどの角度からでもカッコ良く見えます
チェックポイント③
しっぽも狛犬の重要なチャームポイント。後ろから見ると見事な文様を彫りあげた狛犬もいます。是非後ろに回り込んで下さい
チェックポイント⑤
台座も重要ポイント
建立年月や奉納者、石工の名前が記載されています。同じ石工に出会ったりすることもありますよ。
モデル 東京都文京区 白山神社 江戸尾立ち
 
関東狛犬図鑑で狛犬の種類を見極めよう
ここでは、関東近郊(特に東京周辺)の狛犬の大分類をご紹介します。
大きく分けて、関東近郊の狛犬には9種類の狛犬がいます。関東近郊で出逢った狛犬の9割以上がこの分類のいずれかに該当するはずです。特に都内周辺で多く見られる「江戸尾立ち」「江戸流れ」「獅子山」が最も狛犬一体一体の個性が際立つものとなりますので、是非探してみてください。
はじめ狛犬
江戸尾立ち
江戸流れ
獅子山
招魂社系
備前焼狛犬
青銅狛犬
岡崎現在型
先代狛犬


 
境内に隠れた狛犬を探し出そう
正面の鳥居から参道を歩き、拝殿でお参りをして神社参拝を終えている方、実にもったいない。神社の境内には、様々な散策ポイントがあり、そして狛犬が隠れている場合があるのです。石像狛犬はもちろん、拝殿の彫刻に、本殿の中に、灯篭の彫刻に、至る所に狛犬が隠れています。神社参拝の折には、是非下のチェックポイントで狛犬を探してみてください。


鳥居から拝殿に至る参道

狛犬に逢える確率が最も高い場所。ここに狛犬が居ない場合、その神社に狛犬が置いていない場合が多い。正面の狛犬には昭和に入ってから建立された中国製昭和岡崎型の狛犬が鎮座している場合も多いが、ここで諦めることなく境内を探すのが狛犬ファン。
境内の摂社末社前

神社には、他の神社の祭神を移転させた摂社末社と呼ばれる小さな神社が鎮座している場合があります。その前にも狛犬が鎮座しているケースがあります。神社参拝時に複数の狛犬に出会えるチャンスです。
先代狛犬

神社の正面に鎮座する狛犬が最近建立されたピカピカの御影石、岡崎型狛犬だった場合、境内をくまなく探してみてください。新しい狛犬に拝殿前を取って替わられた先代狛犬が、境内の片隅に鎮座している場合があります。発見した時の喜びもひとしおです。

随神門の中

関東ではあまり見られないケースですが、神社の入口にある随神門の中に、狛犬が鎮座しているケースもあります。現時点では、島根県で複数確認しています。関東の随神門には、狛犬以外のものが鎮座している場合が多い気がします。
拝殿内or本殿内

一般の参拝時では、入れない場所にも狛犬が鎮座している場合があります。多くの場合は、見ることすら叶わないのですが、まれに建物の隙間から見つけることも出来ます。写真は島根県美保神社の本殿内の木製狛犬。こっそりカメラを差し込んで撮影。
獅子鼻

神社の狛犬は、参道の石像狛犬のみならず。拝殿でお参りをする際、ちょっと目線を上げてみると、見事な彫刻の中に狛犬が鎮座しています。写真のような柱の端っこを彫刻で飾る「木鼻」という手法で狛犬が居たり、境内の灯篭に狛犬が彫刻されていたり、是非探してみてください。