狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ  香取神社 千葉県松戸市中矢切
 建立年 明治26年(1893)  鎮座位置 本殿横、赤鳥居前
 石工 不明  参拝日 2018年3月4日(日)
松戸市から市川市にかけて工事中の外環自動車道。建設に当たっては当然立ち退きという事態を引き起こす訳だが、今日回っているだけで二社の神社が外環道工事で立ち退きがされていたようである。一社は行方不明、もう一社は道路近くに移設されたこちら香取神社。拝殿はきれいに整備された形で移設され、こちらの狛犬も最終的には、神社の脇に移動してもらったようである。しかしながら、よくよく見ると、真上の横顔の写真と尾の写真、真っ直ぐに亀裂が見えると思う。これは恐らく、いったんこの狛犬を廃棄するために、カッターで出っ張った部分を切り落とした後、何らかの事情が生じ、再度結着させて、ここに鎮座するに至ったものと思われる。開発の中で、神社や狛犬が消えていく事実は、昔からあったことであろうが、目の当たりにすると、改めてショックも大きい。

で、九死に一生を得たこちらの狛犬。かなり劣化が進んでいるが、素晴らしい出来栄えである。
バランスの良い体躯、精悍な顔立ち、どの角度からの観賞にも耐えうる美しさ。流れるような美しいタテガミは、巻き毛の高さもあり、毛並みを重ねていくことで、層が立体的に見える工夫が見事。阿吽の足元にいる子狛犬も顔立ちまで丁寧に彫刻がなされており、その姿勢もユニーク。阿側の子は、参拝者からそっぽを向いてまるで吽の仔狛犬に遊ぼう!と誘っているかのよう。
色々大人の事情はあるのだろう。しかしながら、せっかく明治からこの場所を護ってきた狛犬を、何らかの形で残してほしい、そう願ってやまない。
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