狛犬大図鑑  
 分類 獅子山
香取神社
(関宿台町)
千葉県野田市関宿台町
 建立年 不明  鎮座位置 参道途中
 石工 不明  参拝日 2017年7月20日(木)
先日の山形県酒田市での神社散策にて「江戸から続く港町」であることが、町が裕福であり、狛犬の奉納が盛んであった可能性が高いこと、そして旧街道沿いには、人が集まり、神社が集まることから、二つの条件が折り重なっていることが神社狛犬散策を実りあるものにする必須条件であることを悟るに至った。
で、本日は、利根川と江戸川をはさみ 茨城県千葉県野田市の境にある、道の駅境へ。ここは、江戸川から利根川に続く水路の重要な港であり、江戸時代より貿易の拠点として栄えた町。予想通り、多くの神社が密集し、恐らく江戸から船で運ばれてきた狛犬を多数見ることが出来た。やはり大きな石を、狛犬を運ぶためには、水路は不可欠ということである。当日は、30度を軽く超える猛暑日。妻と道の駅に到着後、レンタサイクルを借り(これがパンクしてたり、壊れてたりで中々出発できず)、およそ3時間かけて10社を散策。日焼けしながらも狛犬サイクリングに文句ひとつ言わずに付き合ってくれた妻に、感謝しかありません。

茨城県と千葉県を結ぶ境大橋を渡り、千葉県側に入ってすぐ、進行方向から左側に鎮座しているの香取神社。参道に面した処に立派や個人のお屋敷があるのですが、その庭先に鎮座するのがこちらの獅子山。ですので、なんと獅子山の周りに綺麗に手入れをされた植木が生い茂っていて、まるで茂みに隠れているかのようです。
一見すると、阿吽の狛犬が並んでいるように見えるのですが、実はこの狛犬、まったくデザインが違っており、どちらも胴が左側、頭が右側であることから、参拝者から見て左側にいた狛犬であることがわかる。恐らくまったく違う神社にいた獅子山であり、どちらも向かって右側にいたパートナーを失い、言ってみれば再婚した形でこの神社に引き取られたのであろう。
右側にいる獅子山は、ふさふさの毛並みに覆われた見上げ獅子であり、標準的な出来栄えの狛犬であるが、左側で植木に囲まれている狛犬は、今日お会いした狛犬の中でも群を抜いた完成度の獅子!左右対称の美しい顔の毛並み、整った美しい顔立ちも見事。美しく流れるような細身の身体の先は、なんと両後ろ足とも空中を蹴り上げる奇抜なデザイン。その先を飾る尾がまた美しい。
これほど完成されたデザインの獅子は、都内でもそうそうお目にかかれない。恐らくは、江戸石工の手によるものが舟で運ばれてきたのであろうが、ここの神社の拝殿前にあった石に刻まれていた年号は約450年前のものであり、かなり土地の有力者により作られた神社であったことが伺えることから、この狛犬も江戸で名のある石工に彫り上げさせたものなのであろう。抜群の完成度と植木に邪魔されるもどかしさが何とも言えず、狛犬ファンの心をくすぐってくる。必見ですよ。