狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ
八幡神社
埼玉県さいたま市岩槻区南辻68
 建立年 明治18年(1885)9月吉日  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2017年4月14日(金)
インスタグラムの狛犬友達に教えていただいた久伊豆神社の灯篭狛犬を見るために、電車で2時間かけて岩槻へ。江戸時代から人形の町として栄えた岩槻駅周辺は、今でも五月人形やひな人形の専門店が立ち並んでおり、人形の博物館にも立ち寄り、久々にじっくりとお人形観賞をさせていただきました。当日は、春先とは思えないほどの真夏日でしたが、さすが産業で栄えた城下町、神社での狛犬ヒット率は抜群。今日一日で6対もの狛犬にお会いすることが出来ました。

お目当ての久伊豆神社に鎮座している灯篭狛犬を参拝後、帰り際に地図を見たら、徒歩10分ほど先に小さな八幡神社があることがわかり、まだ日暮れまで時間もあったので、かみさんと足を延ばしてみました。公園からぐるっと回りこまないと正面に回り込めず、どう見ても小さな社に、あまり期待せずに鳥居をくぐって短い参道を歩いていたら、拝殿前に、中型犬ぐらいの狛犬を発見。
結論から申し上げますと、この神社に立ち寄ることを急きょ決めた自分を褒め讃えたい、遠回りして帰ることに賛成してくれたかみさんを抱きしめたい、と思うぐらい 素晴らしい狛犬が鎮座されておりました。

細身ながら、バランスのとれた力強い体躯は、遠目から見ても分かる素晴らしさ。それが近くで見るとその完成度にさらに痺れさせてくれる。神獣である狛犬の「獣(けもの)」らしさが伝わってくる凛々しい顔立ち、若干爬虫類っぽい赴きもあり、狛犬というより、ドラゴンに近いカッコよさを感じさせる。タテガミや尾の毛並みは特に細やかに彫り込んでいる訳ではないが、シンプルな彫刻でありながら、十分な表現力を有しており、逆に石工のセンスを感じさせる。
また、阿吽の子狛犬が、とてつもなく可愛らしい。左の阿狛犬には、甘えるように親を見上げる子が、まるで親を押しとどめるように前足で親の身体を抑えている仕草が描かれている。右の吽狛犬の腰のあたりには、必死にしがみついて落ちないようにしているやんちゃの子供が乗っていて、更に愛らしい。よく見ると、落ちないように親の身体に爪を立てており、親のおなかに爪のひっかき傷が描かれている芸の細かい彫刻も施されていた。あまりの出来栄えに、小さな神社ながら長居してしまったが、このようなサプライズがある限り、狛犬散策は一生やめられなさそうである。
処で、よくよく見ると、こちらの狛犬阿吽が逆になっている。都内では珍しいが、今単身赴任している東北地方にはよく見られる配置。この狛犬を彫った石工さんは、きっとほかにも狛犬を彫っているはず(出ないとこの完成度が説明つかない)岩槻区周辺、機会あればゆっくり狛犬探しをしたいものである。