狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ 大國魂神社 東京都府中本町宮町3-1
 建立年 天保10年(1839)9月吉日  鎮座位置 随身門前
 石工 不明  参拝日 2012年12月17日(月)
2016年01月15日(木)
武蔵国総社にして、都内有数の狛犬鎮座数を誇る、狛犬マニアの聖地ともいえる神社。
境内には、新旧様々な石造狛犬が9体鎮座(内3対は定型的な岡崎型狛犬ではあるが・・・)更に宝物殿には、国の自由用指定文化財の狛犬が鎮座しているのだが、仕事柄参拝が平日の日になってしまう為、土日しか空いてない宝物殿に入ること叶わず、いまだお目にかかれていない。更に更に、拝殿の外柵から、よくよく拝殿の中をのぞいてみると、木陰からちらりと本殿前に鎮座する狛犬の顔が見えるのです。要するに、この大國魂神社には、11対もの狛犬が鎮座していることになり、一対ごとに狛犬を愛でているだけで、平気で二時間は経過してしまう、狛犬テーマパークなのである。

随身門前に鎮座するのは、天保10年建立の中型の江戸流れ。
阿吽を見比べてみると、素材となっている石の経年劣化に大きな差を感じる。阿側は苔むし、石の痛みも激しく、ところどころに欠けが見られるが、吽側は、妙に真新しく思える。恐らく何らかの災害(狛犬が壊れるのは大概震災であるが)により、吽側の狛犬が落下などにより大きく欠損破壊されてしまい、明治~大正の頃に、先代の面影を再現する形で作りなおされたものなのではないだろうか。
たまに日当たりの状況などにより阿吽で、痛みの差が激しく出るケースもあるので、一概には言えないが、もし吽側が作り直したものだとすれば、石工の巧みな技術により見事に再現された、狛犬修復でも稀に見る素晴らしいケースといえるだろう。

狛犬本体の彫刻は、特筆すべき点はないが、子狛犬は、その仕草に石工の子どもに対する深い愛情を感じる丁寧な彫刻がなされている。阿側の子狛犬は、そっと足を乗せた親狛犬に顔を向けながらも、ちゃっかり前足で顎の下を掻いていたり、吽側の狛犬はひょっこり親狛犬の背中から顔をのぞかせているが、後ろに回ってみると、ものすごく頑張って背伸びしているのがわかる。子狛犬に愛情を注いだ狛犬像を見ていると、石工か依頼した願主の子に対する想いが反映されているのではないかと、勝手に想像してみる。