狛犬大図鑑  
 分類 江戸尾立 八幡宮 青森県むつ市脇野沢桂沢18-1
 建立年 昭和5年(1930)七月吉日  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2016年7月17日(日)
東北地方に単身赴任して早三年。仕事の関係で東北六県、様々な場所を訪れさせていただいているが、いまだ足を踏み入れていないエリアが残っている。その一つが本州最北の地、下北半島。そろそろ転勤もありうるタイミングが近づいている気もする中、この夏に東北地方に心残りが無いようにと思い、一日しかない休みを使い、下北半島をレンタカーで一周してまいりました。
しかしながら、下北半島を一周すると優に140kmを超える工程であることを知ったのは、仕事が終わって、夜にチェックインしたホテルの中。かなりの急ぎ足での下北半島観光&神社散策となった。ちなみに今年は、特に熊の出没が多いらしく、むつ市のホームページにも「どこどこでクマが出た」という情報満載。下北半島の多くの神社が、森林に隣接している為、いつ熊が出てくるかと、びくびくしながらの参拝となった。

国道338号線を脇野沢から大湊駅へ向かう途中に鎮座。赤い両部鳥居が目印。むつ市の神社は、鳥居の柱に四本の走りが併設されたこの両部鳥居を多く見かけた。両部鳥居の小さな柱は稚児柱とよばれており、両部とは密教の金胎両部(金剛・胎蔵)をいい、神仏習合を示す名残。厳島神社の鳥居を思い浮かべる方もおおいのではないだろうか。

拝殿前には、きれいにお化粧を施された江戸狛犬が鎮座。体躯全体のデザインは、江戸流れを踏襲しているが、尾は一部のみ台座付近に流れており、残りは天高くそびえ立っている。昭和初期建立ということから、当時の石工が、江戸流れと江戸尾立を織り交ぜたデザインで彫り上げたものであろう。出来栄えからして、江戸狛犬を何度か彫り上げた経験のある石工による手慣れた感が見られることから、恐らく都内周辺の石工が彫り上げ、船によりむつ市に運ばれてきたものなのであろう。浪速狛犬や江戸流れなど、むつ市では、関西や関東に外注し、狛犬を奉納することが、習慣だったのか、そもそも石工がいなかったのか?こちらの狛犬も含め、むつ市に鎮座する多くの狛犬が、空襲による痛々しき焦げ跡が見られる。広範囲で見られることから海岸線に隈なく空襲を受けたということであろう。