狛犬大図鑑  
 分類 浪速狛犬 恐山 青森県むつ市田名部字宇曽利山3-2
 建立年 文久二年(1862)六月二十四日  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2016年7月17日(日)
東北地方に単身赴任して早三年。仕事の関係で東北六県、様々な場所を訪れさせていただいているが、いまだ足を踏み入れていないエリアが残っている。その一つが本州最北の地、下北半島。そろそろ転勤もありうるタイミングが近づいている気もする中、この夏に東北地方に心残りが無いようにと思い、一日しかない休みを使い、下北半島をレンタカーで一周してまいりました。
しかしながら、下北半島を一周すると優に140kmを超える工程であることを知ったのは、仕事が終わって、夜にチェックインしたホテルの中。かなりの急ぎ足での下北半島観光&神社散策となった。ちなみに今年は、特に熊の出没が多いらしく、むつ市のホームページにも「どこどこでクマが出た」という情報満載。下北半島の多くの神社が、森林に隣接している為、いつ熊が出てくるかと、びくびくしながらの参拝となった。

下北駅でレンタカーを借り、最初に訪れたのは、子供のころからの憧れ?とはちょっと違うかもだが、怖いもの見たさで一度は訪れてみたかった心霊スポット的な恐山。実際にはまったく怖い場所ではなく、神聖な場所というか、非常に心穏やかになる場所でございました。テレビでよく見ていた「イタコの口寄せ」もちゃんとあり、おばあちゃんのイタコさんの小屋の前に二組くらい並び、中では口寄せが行われておりました。二つあった小屋のうち、客のいないほうのイタコさんから手招きされたのですが、残念ながら口寄せをしてもらう勇気もなく、スルーしてしまいました。

随身門をくぐると、中国産岡崎型狛犬が鎮座されていますが、その奥には、なぜか浪速狛犬が鎮座されております。むつ市に来て三社目の神社で、すでに二体目の浪速狛犬。関西方面との文化交流が海路を通じてあったという確かな証拠であろう。短い脚、身体に比べてややバランスに欠いた顔の大きさ、彫刻の荒さなど、出来栄えは今一つ。文久二年建立と刻まれていることから、江戸時代末期に奉納されたものであり、関西方面で作られて、舟によってここに運ばれ奉納されたものではないかと推測している。かなり固い石で掘られているのであろう。150年以上前とは思えない保存状態である。そんな長い旅路を経て、恐山にたどり着いたのかと想いを馳せると、なんだか、淡泊な彫刻の顔立ちも、どことなく可愛らしく見えてきてしまう。