狛犬大図鑑  
 分類 浪速狛犬 金刀比羅神社 青森県むつ市大湊浜町
 建立年 不明  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2016年7月17日(日)
東北地方に単身赴任して早三年。仕事の関係で東北六県、様々な場所を訪れさせていただいているが、いまだ足を踏み入れていないエリアが残っている。その一つが本州最北の地、下北半島。そろそろ転勤もありうるタイミングが近づいている気もする中、この夏に東北地方に心残りが無いようにと思い、一日しかない休みを使い、下北半島をレンタカーで一周してまいりました。
しかしながら、下北半島を一周すると優に140kmを超える工程であることを知ったのは、仕事が終わって、夜にチェックインしたホテルの中。かなりの急ぎ足での下北半島観光&神社散策となった。ちなみに今年は、特に熊の出没が多いらしく、むつ市のホームページにも「どこどこでクマが出た」という情報満載。下北半島の多くの神社が、森林に隣接している為、いつ熊が出てくるかと、びくびくしながらの参拝となった。

最初に訪れたのは、前日にホテル入りし、大湊駅周りを散歩していて見つけた神社。稲荷神社と金刀比羅神社が合社されているようで、どちらかというと稲荷神社が主のように感じたが、参道途中には、小型の狛犬が鎮座されていた。
台座を新しくしたようで建立年は不明だか、恐らく明治期~昭和初期のものではないか。腰元から黒くすすけているのは、もしかしたら戦時中の空襲によるものだろうか?この後参拝した下北半島の神社にも同じように黒ずんだ狛犬が見受けられた。大湊駅の近くに海上自衛隊基地があり、恐らく戦時中も重要な拠点であったことから、空襲を受けたのであろう。
鎮座する狛犬は、見事な浪速狛犬。大坂近辺でよく見られるタイプの狛犬であり、凛々しさの中に不敵な笑みのようなものを感じさせる表情が素晴らしい。体毛から尾にかけての毛並みも美しく表現されており、体躯のバランス、筋肉の奥にあるしっかりとした骨格を感じさせる表現力、どれもが一級品。相当作りなれた石工の手によるものであろう。恐らくは大坂近辺で掘られた狛犬が海路を通じてこの地に運ばれてきたと思われる。

この後出会う下北半島の狛犬は、「浪速狛犬」=大阪 「出雲来待蹲踞」=島根 「江戸流れ」=東京 三つの地域に影響された狛犬が見受けられた。太平洋側の航路と日本海側の航路、どちらの航路もぶつかる終着点である下北半島には、三つの地からの異なった狛犬文化が流れ着き、融合していったのであろう。狛犬が口伝で伝えられる文化という意味で、狛犬ファンにとっては非常に興味深い土地である。