狛犬大図鑑  
 分類 ご隠居狛犬 今泉神社 東京都大田区矢口2
 建立年 大正2年(1913)四月吉日  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2016年03月22日(火)
久方ぶりの東京狛犬散策の舞台は大田区。京浜東北線「蒲田駅」を下車後、東急池上線に乗り換え、「久が原駅」を下車。ここから東急多摩川線「鵜の木駅」~「下丸子駅」~「武蔵新田駅」までの約5km徒歩内に、7社の神社が隣接。かなりのヒット率で江戸狛犬に出会える素晴らしい狛犬散策路を発見することが出来た。当日は、残念ながらかなりの晴天に恵まれてしまい、撮影環境としては厳しいものがあったが、様々な江戸流れを観賞するのに、おススメのコースである。

東急多摩川線「武蔵新田駅」から5分ほど、小さな拝殿前には、真新しい中国製の昭和岡崎狛犬(写真下)が参拝者に睨みを利かせている。中国産の狛犬が鎮座しているということは、この場所に以前、古い狛犬が鎮座しており、新しい狛犬と入れ替えられたということ。この場合、古い狛犬の行く末は二つ。この境内のどこか片隅で隠居生活を送っているか、もしくはすでに廃棄されたか。よって真の狛犬ファンは、中国産狛犬を見た時には、神社の境内をくまなく探すのだ!と意気込んだ瞬間、左隣の末社に、先代の狛犬が鎮座されているじゃありませんか。末社は稲荷神社であり、小さなお稲荷様が飾られているにも関わらず、小さな社に相応しくないほどの巨躯の狛犬が鎮座しており、明らかにご隠居状態。比較的脆い石で造られているようで、かなり劣化が進んでおり、その痛みゆえに引退を余儀なくされたのだろう。破損の激しい吽狛犬と比べると、まだ阿狛犬は原型をとどめている。阿狛犬の顔つきを見ると、横長の顔立ち、肉厚の唇の表現は、東京都内の狛犬製作において、絶大なる信頼を得ていた「青山石勝」の狛犬に非常によく似ている。この石工によるものというよりは、恐らく模して造られたものであろう。