狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ 十寄(騎)神社 東京都大田区矢口2
 建立年 昭和14年(1939)6月だが、台座を新設した時期か  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2016年03月22日(火)
久方ぶりの東京狛犬散策の舞台は大田区。京浜東北線「蒲田駅」を下車後、東急池上線に乗り換え、「久が原駅」を下車。ここから東急多摩川線「鵜の木駅」~「下丸子駅」~「武蔵新田駅」までの約5km徒歩内に、7社の神社が隣接。かなりのヒット率で江戸狛犬に出会える素晴らしい狛犬散策路を発見することが出来た。当日は、残念ながらかなりの晴天に恵まれてしまい、撮影環境としては厳しいものがあったが、様々な江戸流れを観賞するのに、おススメのコースである。

東急多摩川線「武蔵新田駅」から10分ほどの真新しい境内に二対の狛犬が鎮座。鳥居の先でまず参拝者を迎えてくれるのは昭和生まれの江戸流れ。この界隈には、江戸流れの鎮座比率が非常に高く、昭和に入ってから奉納された狛犬も多い。またこの辺りは東京大空襲の被害にあったことも、周りの狛犬の焦げや黒ずみからもうかがえるが、こちらの狛犬には、それほどのダメージは見受けられず戦火を免れたのかもしれない。
阿吽共に、二体ずつ子狛犬を有する、近隣の神社では一番の子だくさん。阿吽共に、ほぼ子狛犬の姿勢が同じというのは、非常に珍しい。品川界隈に同じような姿勢の子狛犬を有する狛犬があり、恐らくそれを見本にしたのであろうが、なぜ左右を同じにしたのかは不明。施された彫刻は非常に丁寧で技術も高いのだが、これまた何故か、江戸流れのお約束である尾が台座にかかっているのをあえて拒否しているかのように、台座手前で尾を収めているのも、分かっていてやらなかったようにも見える。獅子らしい顔立ち、口元の皮の弛みの生き物感が中々出ており、子狛犬のタテガミは、若い子供独特の表現をするなど、細かいところまで行き届いたこの狛犬が昭和14年建立というのはやや疑問。恐らく、台座の年号は、台座を新設した時期なのであり、狛犬自体は江戸後期から明治初期のものではないだろうか。