狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ 熊野神社(長須賀) 千葉県館山市長須賀
 建立年 昭和十七年(1942)  鎮座位置 入口鳥居前
 石工 不明  参拝日 2015年12月19日(土)
館山市民ならば、誰もが知っている地元スーパー「おどや」の中でも、旗艦店舗である「おどやスーパーセンター」に車を止めさせていただき(帰りに買い物しました)、歩くこと十分。小さい神社ながら、二対の狛犬を有する熊野神社には、驚くべき狛犬が鎮座している。なんと足元に砲弾を手にした狛犬なのである。

拝殿前に鎮座するのは、第二次世界大戦終了直後に建立された狛犬。昭和17年といえばミッドウェー海戦の年。戦争の厳しさが生活に影を落とし始めた頃に奉納された狛犬であり、当時の氏子たちがどのような想いでこの狛犬を奉納したのだろうか?
この神社に奉納されているもう一対の大正生まれの先輩狛犬は、砲弾を抱えた珍しい狛犬であり、戦勝祈願を込めて作られたことは明白である。対してこの終戦間際に造られた狛犬は、顔立ちは、砲弾狛犬と非常に似ていることから、石工が模倣して作ったことが伺えるが、狛犬の手元にあるのは、紐がついた可愛らしい毬と、親に甘える子狛犬である。戦勝祈願として奉納しつつ、その狛犬に込められた思いは、足元で戯れる子狛犬に託されているのではないか、優しく子狛犬に添えられた親の手は、戦地に向かった子供たちへの想いが込められているような気がしてならない。