狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ 伊勢宿 豊受神社 千葉県市川市伊勢宿6-11
 建立年 昭和十七年(1942)  鎮座位置 拝殿前
 石工 宇都宮 木村石材店  参拝日 2015年11月10日(火)
東西線妙典駅から徒歩10分ほどの行徳街道は、江戸末期以降の古い建物がまだ残っている歴史ある通りであり、数多くの寺・神社が街道沿いに鎮座している。残念ながら現在は、せっかくの観光コンテンツを生かし切れておらず寂しい街道となっているが、妙典駅から行徳駅まで、旧道沿いを散歩すると、様々な歴史ある建築物とともに多くの狛犬たちにも出会うことが出来る。

行徳街道からやや外れたところに鎮座する胡録神社には、昭和生まれの江戸尾立が鎮座。台座には、「宇都宮 ○○(読めず)木村石材店」と記載されている。これが栃木県宇都宮市のことを指すのかは不明だが、この狛犬の阿側にある子狛犬は、明らかに、ここから1kmほど離れた神明豊受神社に鎮座する江戸流れの子狛犬と姿勢が非常に類似している(写真下右)足に二本足で立ってしがみ付く子狛犬は、かなり独創的な姿勢であり、近隣の神社に似たようなデザインが並んでいることから、恐らく、神明豊受神社の狛犬を模して造られたものであることが推測される。

子狛犬の出来栄えは、神明豊受神社のオリジナルには遠く及ばないものであるが、狛犬本体の出来栄えは、引けを取らない素晴らしいものである。特に筋骨の逞しさを表現した背中のこぶ、密度感のある美しいたてがみと尾の表現は、実に見事。吽側が持っている球には、布のようなものが巻かれており、それが狛犬の前足の内側を抜けて、台座にかかっている。このような手の込んだ手毬の表現は中々お目にかかれない。戦後すぐにこれだけの狛犬を作れる石工がまだ居たことに、そして見事な狛犬を残してくれたことに深く感謝したい。