狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ 茅ヶ崎三嶋神社 神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3-3 
 建立年 昭和三年十月吉日  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2015年10月20日(火)
仕事の為、相模原線に乗り込み、目的地である北茅ヶ崎駅へ到着する直前、踏切のそばに小さな神社を発見。北茅ヶ崎駅を降りてすぐ、かがまなければ入れない低い鳥居を頭を屈めながらくぐると、小さな拝殿の前に、一対のこれまた小さな狛犬と、一体のさらに小さな狛犬が鎮座していた。小さい神社ながらも、参道も狛犬も手入れが行き届いており、駅に向かう人々が、途中参拝している姿が微笑ましい。

明神鳥居と赤鳥居の間の短い参道に鎮座しているのは、小型犬よりも小さい江戸流れ。細身の身体ながら、眼光鋭く参拝者を厳しい表情で睨みつける勇ましさも表現されている。正面、ななめ、横顔とどの角度から見ても、男前の表情であり、昭和初期の作品としては、非常によくできた江戸流れである。身体も丸みのある、動物らしい柔らかなラインで表現されており、細部まで技が行き届いた逸品である。

二股に分かれた尾は台座にかかり、巻き毛の表現とともに、江戸流れのお約束通りの造りとなっている。珍しいのは、阿側の子狛犬が、玉を持っている型。親の代わりにしっかりと玉を持つ子狛犬も可愛らしいが、吽側は大人が足で抑えた玉、阿側は子狛犬がしっかり抱えた玉と、両玉どりの狛犬としては、オリジナリティあるデザインと言えるだろう。

昭和三年と台座に記されているプレートが台座に打ち付けられているが、恐らく台座は戦後再建されたものであろう。狛犬は全体的にほんのり焦げており、恐らくは空襲による被害にあい、この神社も移転してきたのではないだろうか。阿側の損傷が激しいのは、焼夷弾が直撃したか、台座から落ちたこど原因であろうか。古い狛犬を大切に境内に鎮座させてくれている、こちらの三嶋神社に、一狛犬ファンとしてただただ感謝である。、