狛犬大図鑑  
 分類 出雲来待蹲踞 山神社
(やまのかみしゃ)
宮城県遠田郡美里町牛飼斉ノ台37
 建立年 大正十年(1921)三月十二日  鎮座位置 拝殿前
 石工 涌谷町 井内  三浦源蔵  参拝日 2015年08月22日(土)
石巻市から大崎市へ車で移動する途中、剣道19号沿いに大きな鳥居を見かけ、参拝に立ち寄らせていただきました。

美しい彫刻が施された拝殿前には、二対の狛犬が鎮座。
手前には仙台狛犬、奥には宮城県内では、初お目見えとなる出雲来待蹲踞。出雲来待蹲踞は、その名の通り、島根県出雲市周辺にて、この土地で採れる来待石をつかって作られる蹲踞タイプの狛犬であり、前足と後ろ足を合わせた窮屈な姿勢の蹲踞、大きな顔、美しい巻き毛、焔立つ尾など、非常に特徴的な狛犬である。
恐らく日本海側の海路ルートで、東北地方でもたまに見ることができるのだが、太平洋側の宮城県にもあるのには、驚かされた。

出来栄えは、出雲来待蹲踞のお約束を完璧に踏襲しており、一見すると、来待石で作っているように見えるが、来待石は非常にもろい石であり、それほどの損傷がないことから、もう少し固い石で造られたものと推測される。台座には「涌谷町 三浦源蔵」という石工の名が刻まれており、この石工が、出雲来待蹲踞を完璧に模倣して彫り上げたものであるということなのだろう。その技術力、観察力には、感服させられる。

唯一残念なのは、阿側の口の中、出雲地区では、中に石の玉を残した形で彫り上げた、中国獅子の技法を盛り込んだものが何体化見受けられた。恐らくこの狛犬も、口に下でふたをしているので、玉を彫り上げようとしたのではないかと思われるが、現在ないことから、製作途中で失敗し断念したか、もしくは盗難にあったかのいずれかであろう。

当日は社務所にて、御朱印をいただくことが出来たが、待っている間、社務所そばにある日本庭園を見てこられたら、とのお声をかけていただいた。下の写真の通り、中々立派な日本庭園と、恐らくは明治~対象に造られた、美しい家屋があり、参拝の折には、是非ここもご覧になっていただきたい。