狛犬大図鑑  
 分類 江戸尾立ち  成田山新勝寺  千葉県成田市成田山1
 建立年 天明八年(1788)九月  鎮座位置 仁王門前
 石工 不明  参拝日 2013年9月4日(水)
本来、自狛漫における狛犬探訪は、「神社に鎮座している狛犬」が大前提であり、時折見かけることのある「お寺の狛犬」は、観察対象から除外させていただいていた。しかしながら、江戸の町火消が奉納したド派手な青銅狛犬を筆頭に多くの狛犬が成田山を崇拝する江戸周辺の庶民から奉納された成田山は、まさに千葉県随一の狛犬天国であった。
関東に名をとどろかせる新勝寺に、狛犬を奉納するということは、庶民にとってとんでもないステイタスであり、また狛犬を依頼された石工にとっては、この上なく名誉な仕事であると同時に、最高の彫刻を彫らなければならないプレッシャーがあったのであろう。新勝寺に並ぶ狛犬は、その全てが、都内も含めても屈指の技術力、造形力、そして奉納した方々と石工の想いが詰まった素晴らしい狛犬たちである。

仁王門前に鎮座するのは、200年以上前に彫り込まれたとは思えない高い技術力で彫りあげられた江戸尾立ち。力強く天を見上げる阿吽の首周りの逞しい筋肉、江戸流れに繋がる巻き毛の造作も素晴らしいが、注目は、見事な台座。これほど贅をこら
した台座に出会ったのは、王子稲荷神社以来である。

狛犬の足元の台座は、透かし彫りが施されており、彫り抜かれた文様から反対側の光が差し込んでくる。また二段目の台座には阿吽共に四面に狛犬のレリーフが彫り込まれている。そのどれもが素晴らしい彫刻なのだが、残念なのが、四面とも見ることが出来ない配置であること。成田山は参拝者が多いので、さすがに柵を乗り越えて撮影することは叶わず。
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