狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ  成田山新勝寺  千葉県成田市成田山1
 建立年 文化十一年(1814)三月  鎮座位置 総門前
 石工 不明  参拝日 2013年9月4日(水)
本来、自狛漫における狛犬探訪は、「神社に鎮座している狛犬」が大前提であり、時折見かけることのある「お寺の狛犬」は、観察対象から除外させていただいていた。しかしながら、江戸の町火消が奉納したド派手な青銅狛犬を筆頭に多くの狛犬が成田山を崇拝する江戸周辺の庶民から奉納された成田山は、まさに千葉県随一の狛犬天国であった。
関東に名をとどろかせる新勝寺に、狛犬を奉納するということは、庶民にとってとんでもないステイタスであり、また狛犬を依頼された石工にとっては、この上なく名誉な仕事であると同時に、最高の彫刻を彫らなければならないプレッシャーがあったのであろう。新勝寺に並ぶ狛犬は、その全てが、都内も含めても屈指の技術力、造形力、そして奉納した方々と石工の想いが詰まった素晴らしい狛犬たちであ
る。


新勝寺に到着して最初に総門と共に参拝者をお出迎えしてくれるのが、美しい毛並みの江戸流れ。台座にかかる尾の毛並みも、ほとんどの江戸流れが一束のみ掛っているものが多い中、三束もの尾が台座に彫り込まれており、石工の並々ならぬ気合を感じさせる。巨大な江戸流れに圧倒されてしまうが、注目は後ろの尾。湧水が噴き出すかのように重なり合った尾の毛並みは圧巻。そのまま顔をうずめたくなるボリューム感と柔らかさの表現力。石でここまでソフトな毛並みが表現できるのかと関心させられる。狛犬ファンならば、総門の狛犬だけでも十分満足できるのだが、更なる驚きの狛犬たちが新勝寺の中には鎮座しているのだ。
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