狛犬大図鑑  
 分類 浪速狛犬  大江神社 大阪府大阪市天王寺区夕陽丘町5-40
 建立年 文化八年(1811)十一月  鎮座位置 摂社前
 石工 不明  参拝日 2015年2月13日(金)
大阪でよく見られる浪速狛犬は、花崗岩(御影石)で作られたものを、現時点ではよく見かけているのだが、初めて砂岩で作られた細やかな彫刻の施された浪速狛犬とお会いすることができた。柔らかく彫刻が施しやすい和泉砂岩を使用しており、固い御影石では、難しい、独創的かつ丁寧な彫刻がなされている。しかしながら、砂岩の欠点として、二百年以上の風雪にさらされていた影響で、かなり痛みが激しく、阿は、頤が削げ落ちてしまっているのは実に残念。

まだ劣化の少ない吽は、仏教の阿吽像の険しい表情を思わせるような、素晴らしい表情。狛犬という獣の顔と、まるで人間のような表情豊かな顔、その両方を兼ね備えたようなデザインは、中々他に類を見ない見事な表現力。思わず三方から写真撮ってしまいました。

巻き毛の表現も、江戸狛犬を彷彿させる。顔の周りの毛並みの彫刻も、江戸狛犬に類似しており、彫刻を施した石工が、江戸周辺の狛犬を参考にした機会があったのではないかと推測される。

石工のこだわりは、しっぽにも現れており、吽が扇形に広がり、阿は花のつぼみのような形に複雑な文様を彫り込んでいる。吽の出来栄えから、阿の表情もきっと見ごたえのあるものだったと推測されるが、残念ながら、ほとんど顔が溶け落ちてしまっているのが残念。この浪速狛犬との出会いは今回の大阪狛犬巡業で最大の収穫であった。
閉める