狛犬大図鑑  
 分類 江戸流れ  浅草神社 東京都台東区浅草2
 建立年 天保七年(1836)  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2015年1月13日(火)
都営銀座線浅草駅を下車、久々に仲見世通りを歩いてみると、平日にも関わらず、かなりの人手。なるほど、よくよく耳を澄ませてみると聞こえてくるのは、異国の言葉ばかり。いわゆるインバウンド、外国人観光客のみなさまが、仲見世通りに活気を与えていたんですね。一年前に来た時は、暇そうに客待ちをしていた人力車のお兄様方も、今日は、外国人のお客様をとっかえひっかえ乗せ、記念写真を撮ったりと大忙しの様子。確かに仲見世通りの雰囲気は、外国人観光客には、いかにも日本的な感じで喜ばれるのだろう。この流れに乗って、狛犬の素晴らしさも外国人に伝えたいものである。ってその前に日本人にもっと伝えなければ・・・。

浅草神社には、三対の狛犬が鎮座しているが、その中でも最も目立っているのが、自然石を積み上げたような台座に鎮座するこの江戸流れであろう。厳密にいえば、江戸流れの最大の特徴である「流れる尾が台座にかかっている」という条件を満たしてはいないのだが(自然石の台座なのでやむを得ない)美しい毛並み、逞しくも柔らかそうな身体付きを表現した見事な狛犬である。目の上で今にも風にたなびきそうな眉毛のようなタテガミが、柔和な顔立ちの狛犬に一層穏やかな表情を与えている。口元の肉厚な柔らかい表現、吽の口元からきらりと突き出した犬歯が、実にキュート。巨躯と呼ぶにふさわしい大きな狛犬なのだが、不思議と圧迫感というか、威圧感がない、石工の優しさを感じさせる狛犬である。

こちらの浅草神社の狛犬は、ここから3kmほど離れた足立区千住河原にある【河原稲荷神社】の狛犬と非常に類似しており、その作風から、同じ石工によるものと思われる。河原稲荷神社の狛犬には、狛犬の由緒書があり、ここにも「浅草神社の狛犬と類似している」的なコメントが記載されていた。近い神社なので、是非一度見比べてみてほしい。
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