狛犬大図鑑  
 分類 江戸尾立ち  王子稲荷神社 東京都北区岸町1-12-26
JR王子駅から徒歩10
 建立年 宝暦十一年(1761) 文化九年(1812)再建  鎮座位置 拝殿前
 石工 不明  参拝日 2014年5月29日(木)
JR王子駅から徒歩10分程度の小高い丘に鎮座する関東稲荷総社の格式をもつ神社。

拝殿前に、素晴らしい江戸尾立ちが鎮座しており、実は三回目となる参拝なのだが、その都度、泣かされているのが、狛犬正面を遮る柵。実は鳥居からの正面の参道は、足元にある幼稚園の敷地内となっており、幼稚園に子供たちがいる間は、閉鎖されている。その為、狛犬を正面から見られず、結果写真も後方、ななめ後ろからの撮影を余儀なくされている。週末に見に行くしかないのだが、仕事柄週末に休みがとりにくく、今回も当然のことながら、幼稚園に阻まれた撮影となってしまった。

流れるような美しい毛並み、口元のほほが盛り上がり、眼光の鋭さを増す表現力、左右に大きく広がった耳、すべてが一級品の出来栄え。これほど見事な江戸尾立ちは、都内でもそうそうお目にかかれない。特に素晴らしいのが、焔立つ、炎のように美しい尾。複雑に形成された尾の彫刻は、改めて尾という部位が、石工の持てる技術をお披露目するための重要なファクターであることをうかがわせる。尾の一部は、鎮座する台座にかかっており、その美しい表現、台座にまで細工を施す石工の技術力に圧倒させられる。台座に施された透かし彫りも見事。

惜しむらくは、表面の焼け焦げた跡。おそらく空襲による被害であろうが、破損しやすそうな耳や尾に傷一つないことから、狛犬への焼夷弾の直撃は避けられたのではないか。この美しい彫刻が、数々の災害、人災の中、約250年という時を超え、我々の前で神社を守り続けてくれることを感謝せずにはいられない。
閉める